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「面接もしないんだと。どうかしとるわ」

久し振りに訪れた学食はもう昼時を過ぎていて、僕の他には二人の男女の清掃員が向かい合わせに座っているだけだった。彼(と彼女)は何か愚痴をこぼしあっていて、机に置かれた食事にはあまり手をつけていないようにも見えた。

「うちんとこのが一人、来月いっぱいで定年になるんだわ。そんでどこかからつてを辿って来るらしいんだけど、もう五十四なんだと。ありゃあかんわ」

そう不貞腐れる彼はもう定年まで三年もないらしいし、僕の記憶が間違っていなければ彼は二年前にここへ就職したはずだから、人事に口を出せるほどにベテランというわけではないはずだ。彼が文句を付ける年齢のことだって、彼に言えたことでもない。

つまりは、そういうことだ。

「どうかしとるわ」

ハッシュドビーフは、まだ熱かった。