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truthly

「本当のところ僕は、君のことが嫌いだったんだ。何かの熱にうかされたように入れ込んでいたけれど、終わった今になってわかったよ、全ては裏返しだったことが。僕は、君のことが嫌いだったんだ」 「くだらない嘘ばかり」

someone said

「要するに彼らは、自分自身がいかに不幸であるかを主張したいだけなんだな。彼らの境遇がいかに不遇で情けないものか、そこに身を委ねる自分の何と献身的で我慢強いことか、童話であればいつか救いの訪れる健気でひたむきな自分、なんて」 「じゃあ君は、彼らに何て言える? 死刑宣告でもできるのかい?」 「そんな必要がどこに? 彼らは自分自身の、彼ら自身の手で、自らをどうしようもない存在だと証明しているのに。これ以上彼らを打ちのめす必要がどこにあるっていうんだい?」

older

「『老兵は去るのみ』ってのはよく言ったもんだな。思うに、アタマが固まって悲観しかできなくなっちまった人間はさっさと舞台を降りるべきなんだ。自分がいなくなることでその分、若者にチャンスを与えてやるべきなんだ。なぜって、もうそうなっちまったら末期だからさ。成長できないやつが成長するもののための居場所を占拠するだなんて、馬鹿馬鹿しくてあくびの出る話だろ?」

know

「誰だってわかってるんだ。愛し続けられる人間なんてどこにだっていやしないし、愛され続けられるべき人間なんてどこにだっていやしない。それは限定された時間の中であるから、価値があるし意味を見出せる。そして、苦痛に感じないんだ。与え続けられる人間なんて、いやしないんだ」 「でも、だからって、どうだっていうんだい?」

will

「手放してしまったそれがどんなに素敵で大切なものだったかに気付くことができたなら、戻らない時間と自分の最大の失敗をこれからじっくりと思い返して、本当に癒されるその瞬間まで(しかしそれは決して訪れないだろう)、底辺の底辺をのた打ち回るといい。それが、君の償いだ」

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