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tears in heaven

発作のように嗚咽する。それに意味などなく、なぜならもう全ては終わってしまっているからで、僕の、単純な自己満足か自己防衛かのどちらかだ。全てはもう終わってしまっていて、失うことは決まってしまった。もう、どんな力の持ち主でもそれをひっくり返すことはできない。僕はこれから眠れない夜を重ね、いつまでも足枷のようにこれを引き摺って生きていかねばならない。

「もしも天国で会えたそのとき、君は僕の名前を覚えていてくれるだろうか」

lost

「もしも明日、何もかもなくすとしたら、そう考えると怖くなるの」 「何も失わない明日なんてあるものか」

no joke

「……止してくれないか、悪い冗談は」 「人生なんて、悪い冗談そのものだわ」

lack

「未来に価値なんてない。いつだって、輝いてしまうのは未来より過去じゃないか。未来に、希望なんてない」

誰かを罵りたいわけじゃないけれど、僕の口はそうやって動いて、そしてその端は、何かをばかにしたように笑っていた。全て放棄して、ただ笑っていれば、そう思わなかったわけじゃない。

laughless

「もっと、笑えばいいのに」

彼女は素敵な笑顔でそう言った。その笑顔に始終癒されている身としては勝手極まりないことなのだろうけれど、僕は、もうその笑顔が僕に向けられないことを少しだけ祈った。責め立てられるような、そんな気分に近いものがあった。

彼女は、笑顔を作れない人間のことを知らない。例えば、僕のような。

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